東京ハードナイト 15

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由一がアクアでヘルプとして働くようになってから、三日が過ぎた。

 

まだまだ慣れないことばかりで戸惑っている由一だが、一生懸命さは誰にも負けていなかった。

 

どんな嫌な仕事でも一生懸命にやる由一のことを、真琴はとても高評価していた。

 

そんなある日、藤堂がアクアにやって来た。

 

「・・・この男が・・・堂本の?」

 

最初に由一を見た藤堂は、そう言って真琴に聞いた。

 

由一は、威圧感のある藤堂に見つめられたまま、まったく動けなかった。

 

全身の毛が逆立つような、こんな凄みのあるヤクザに出会ったのは、初めてだったのだ。

 

堂本も怖いという印象があったが、ダブルスーツをビシッと格好よく決めている目の前の藤堂弘也には、堂本以上の迫力があった。

 

心臓を射抜くような鋭い眼差しと低くドスの利いた声。

 

髪は黒くオールバックで、しかもめちゃくちゃいい男である。

 

藤堂の周りを囲んでいるヤクザたちも、誰も彼もがつわもの揃いのようだった。

 

普通のヤクザじゃないのだ。

 

もっと強くて冷酷で、その上いつも冷静沈着で、いかにも極道といった感じである。

 

「そんなに苛めないでください。すっかり脅えちゃってます」

 

真琴は、くすっと笑って藤堂の腕に絡み付いた。

 

そして一番奥の特別室に案内していく。

 

真琴は、藤堂とこの部屋に入る時はいつもヘルプは付けないのだが、今夜は特別だった。

 

真琴には、ある作戦があったのだ。

 

由一に自分の本当の気持ちに気づいてもらい、うまくこの一件を収める作戦が・・・。

 

「由一君はここにいてくれる?あとはいいから下がって」

 

真琴はドアが閉まると、すぐにシルクグレーのスーツを脱ぎ出した。

 

そしてピンク色のオープンカラーのYシャツのボタンを外し、スラックスも脱いでいく。

 

「あ、あの・・・?」

 

由一は初めて入った特別室の豪華さに圧倒される間もなく、真琴の大胆な行動に顔を赤らめた。

 

急にスーツを脱ぎ出して、どうして裸になるのか分からなかったのだ。

 

だが真琴は、由一が見ていることなどまったく気にしないで高価なシャツを脱ぎ、下着さえも脱いでいく。

 

「あのぉ・・・・・真琴様?」

 

由一は、いよいよ目のやり場に困ってしまった。

 

藤堂の前で臆することなく、まるでそれが当然であるかのように裸になっていく真琴を、由一は手で顔を隠すようにしながらも、不思議そうに見つめていた。

 

「真琴・・・どういうつもりだ?」

 

藤堂もいつもと違う、真琴の大胆な行動を不思議がっている。

 

「いえ、ちょっと考えがあって。協力してもらえますか?」

 

真琴は、立ったまま一糸纏わぬ姿になってソファに座っている藤堂に言った。

 

藤堂は、初めてふふっと優しく笑って、真琴の手首を掴み引き寄せる。

 

そして自分の膝の上に裸の真琴を横抱きにしてのせると、キス交じりに囁いた。

 

「・・・まぁ、いい。お前が何を企んでも構わない。こんな大胆で妖艶な真琴が見られるなら・・・」

 

と、藤堂は激しく真琴の唇を覆っていく。

 

真琴はあらがうことなくそのディープキスを受け入れると、藤堂のネクタイを取り去っていく。

 

「あっ・・・ んっ・・・」

 

そんな二人を見つめ、由一は唖然としていた。

 

二人の濃密な行為に驚いたということもあったが、もっと由一を驚かせたのは、真琴の身体にあるいくつもの銀色のピアスを見たせいだった。

 

可愛い左右の乳首に、プラチナのリングピアスがついているのだ。

 

しかもそのピアスは左右の乳首だけではなく、なんと真琴のそそり立っている分身の先端にもついていた。

 

「・・・ピ、ピアス?」

 

由一は、真琴の身体から目が離せなくなっていた。

 

綺麗とか色っぽいとかそんな生やさしい言葉では言い尽くせないくらい、真琴の裸体は美しく妖艶だった。

 

余分な脂肪などまったくついていない、引き締まったウエストと細い手足。

 

肌はどこもかしこも透けるように白くて、乳首と分身だけが朱色に変化していた。

 

襟足の少し長いサラサラの髪と青い瞳が、まるでこの世の者とは思えないくらい美しく幻想的なのだ。

 

「あっ・・・藤堂さんっ・・・。こっちも吸って・・・」

 

真琴は、藤堂にそう言ってもう一つの乳首も吸ってほしいと哀願した。

 

藤堂は、真琴の哀願した通りに、左側の乳首もピアスごと舐めて、吸っていく。

 

「あっ・・・いいっ・・・藤堂さんっ・・・」

 

真琴の喘ぎ声は、由一を一気に赤面させた。

 

こんなに高貴で天使のように美しい真琴が、愛撫をされて淫らに喘ぎ、破廉恥に腰をくねらせて喜ぶなんて、この目で見てもとても信じられなかった。

 

真琴がヤクザの情夫だということは知っていた。

 

だが、身体中の性感帯にピアスをつけて、まるで抱き人形のように喘いでいるなんて・・・。

 

しかもこうされることを喜んでいる。

 

こんな卑猥で破廉恥で、エッチで恥ずかしいことをされているのに。

 

由一はそう思いながらも、藤堂に愛撫され、喘いでいる真琴の淫らな姿から目を逸らすことができなかった。

 

「あっ・・・藤堂さんっ・・・ いいっ。下の方もしてぇ・・・・・」

 

乳首への愛撫だけでは我慢できなくなったのか、真琴は自分からキスをせがむようにして妖艶に訴える。そんな真琴に満足したのか、藤堂はふふっと笑いながら真琴の下半身に顔を埋めていった。

 

ソファの上で自ら両足を広げ、藤堂に愛撫をねだる真琴は、驚いたことに今まで見たどんな真琴よりも魅力的で美しく、そして気高く見えた。

 

「あぁぁ・・・・・藤堂さん・・・・・」

 

真琴は、分身の先端を舐められ、ピクンッと下半身を震わせて喘ぐ。

 

由一は、両手で顔を覆ってはいたが、指の間からしっかりとそんな真琴の色っぽい姿を見つめていた。

 

じっと息を殺すように見つめていると、自然と身体が熱くなるのが分かる。

 

しかも、自分の分身までも藤堂に舐められているような錯覚に捕らわれ、感じてしまっていた。

 

「あぁぁ・・・いいっ・・・ もっと・・・もっと・・・藤堂さ・・・んっ」

 

真琴の声には、遠慮などなかった。

 

欲望のまま、どんどん淫らにエッチになっていく。

 

どうしてこんなに淫らになれるのか、こんなに欲望に素直になれるのか、最初は由一には分からなかった。だが真琴の藤堂を見つめる優しい瞳と、藤堂を呼ぶ優しい声を聞いているうちに、なんとなくだが分かってきた。