2012/11/29 第55回全国大会レポート4
- 2012年11月29日
- シロアリ
日本しろあり対策協会 第55回全国大会レポートのつづき・・・
これが最後のレポートになります
「静岡県文化財蟻害・腐朽検査報告書の作成に5年間携わって」
これは日本しろあり対策協会の蟻害・腐朽検査員制度の普及・啓発を兼ね
県内の指定文化財の調査を行い、報告書と検査証を県教育委員会文化財課に
提出するしくみを静岡県が行っているものです
検査対象建物の募集から検査実施までの流れ
①検査対象建物の募集
県教育委員会文化財保護課長名で検査希望物件の募集文書を各市町村の
教育委員会文化財保護担当課まで送る
②検査対象建物の選定
依頼のあった希望物件の中から県内の東・中・西部それぞれの地区から
原則的に各1棟ずつ選ぶ
③検査対象建物の事前調査及び準備
検査実施2~3週間前に検査対象建物にリーダー(報告書作成者)が出向き
敷地状況・建物周辺の事前調査(白蟻の生息)・建物の大きさ/構造/床下侵入口の有無
床下侵入不可箇所の確認(必要に応じ事前に点検口作成) などを事前に調べる
④平面図は必ず事前に入手しておく
平面図と現地の建物を比較し同じであるか確認しておく!
(文化財は平面図作成後改修工事や増築される場合があり図面と違う事あり)
重要ポイント
建物の所有者に図面を見てもらい、過去の改修工事や増築について詳細にわたり
聞き取り調査を行いできるだけ検査当日には建物全体の床下を正確に検査できる
様にしておく事が必要である
検査グループは2~3名 検査範囲のマーカー色分け カメラは各班1台
所見記入担当者1名を事前に決めておく
⑤会員への事前通達
検査場所・集合時間・検査要領・持ち物・蟻害腐朽検査報告書作成要領
文化財建造物の蟻害腐朽検査マニュアル(報告書の作成要領の事前確認の通達書)
上記の資料を事前郵送
⑥検査当日
ミーティング
平面図を検査員に渡し検査箇所の説明
マニュアルにもとづいた注意事項の確認
⑦検査実施
検査終了時点で各リーダーは図面上にコメント・撮影方向・所見を記入
その後総責任者に提出
写真データーは各リーダーがCD・メールで県本部へ送る
以上が検査実施までの流れです!
報告書の作成
作業効率化アップのため最初からパワーポインターで作成するのがよい
後に研修会の資料としても使え便利である
蟻害・腐朽検査証の発行
報告書は協会内で数回にわたり修正確認をする(厳密に)
注意点
シバンムシ類や腐朽の関係につての表記の仕方
方位を入れる
写真番号には撮影方向の矢印を付ける
写真番号と撮影方向と注釈を必ず記入
床下侵入口は必ず図面上に明記する
床下の検査不能箇所があれば必ず明記する
文書には「である」と「です」の混在があってはいけない
基本は「である」で統一
だいぶ長~くなりましたが もっとも関心のある講義内容でした
長野県しろあり防除協会も静岡県の防除協会員さんを見習い
地域のため国のためそしてなにより協会員の技術の向上と社業繁栄のため頑張りたいと思います
長野県しろあり防除協会 会長:小林文成より