「ゾンビ企業退治」「正規労働者の解雇の容易化」―アベノミクスの痛みとは―
「ゾンビ企業退治」「正規労働者の解雇の容易化」
―アベノミクスの痛みとは―
このようなタイトルですが、私はアベノミクス推進派です。
いよいよ第3の矢の実行に本腰が入り始めます。
知っておくのと、知らないのとでは後で大きな差が生まれます。
* * * * *
政府は産業競争力会議を開き、
これまでの議論を踏まえ、
アベノミクスの第3の矢としてまとめるとされる「成長戦略」
の基本的な考え方を素案として公表しました。
成長戦略は、「日本産業再興プラン」「戦略市場創造プラン」
「国際展開戦略」の3つのアクションプランから成っています。
アベノミクスの停滞はあってはなりませんが、
私たちが心しておかなくてはならない内容もあります。
国内産業政策の一つが、「過当競争の業界再編」です。
過当競争の産業に国が是正指針を提示し、
構造改革に取り組む企業には優遇措置を与えるものです。
簡単にいえば、企業の新陳代謝を促すこと。
役割を終えた企業・産業(ゾンビ企業)の退場を促進して、
新しい企業・産業を生み出そうとしています。
具体的には電機業界。
主要企業が集約され国際競争力の高い韓国に比べ、
我が国は企業数が多すぎると指摘しています。
それはそれで大変結構なことですが、
業界再編の影響がどのように現れるか注視する必要があります。
少なくとも企業数減によって、国内雇用が増えることはありません。
ダブった労働力を流動的に配置することが必要です。
さらに、安倍首相がアジア・アフリカ地域に力を入れているのは、
企業投資を海外へということにほかなりません。
とすれば、国内労働力の受け皿をどこに作るか、
国内とのバランスを取る政策が打ち出せるかどうかが重要です。
また、あまりにショックが大きく今回のプランには入っていませんが、労働市場改革があります。
正規労働者の解雇を容易にし、労働力の適正配置を図るというプランです。
市場では、企業が労働生産性を高める選択肢を増やすことができるとの期待が出ていました。
「過当競争の業界再編」をする以上、労働市場改革は必須です。
この二つは政策の両輪ですから、今秋の「産業競争力強化法(仮)」に注目ですね。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20130306/244600/
* * * * *
このような状況の中で、
私たちはひとごとのような顔をしているわけにはいきません。
電機業界が槍玉に挙がっていますが、「業界再編」は
全ての過当競争業種、構造改革が困難なゾンビ業種に当てはめられる政策です。
あなたがゾンビ業界にいるのなら、
自分の身を守る術を、できるだけ早く身につけておく必要があります。