二重に病む日本の社会、だからこそ国民が賢明に
昨年の秋より阪急阪神ホテルズから始まった一連の食品偽装問題。
その後ホテルや百貨店、吉兆までが再び登場するなど、
数カ月にわたり大いにマスコミを賑わしてきたが、
実はことの発端は、遡ること昨年の5月、
東京ディズニーランドの施設内でのレストランと
複数のリゾートホテルで偽装表示をしていたところからである。
阪急はこのディズニーの偽装表示発覚を受けて社内調査を行い、
自社での偽装表示が判明したわけである。
ところがマスコミはほとんどディズニーの偽装問題を取り上げず、
ディズニー自身も社長が出てきて謝罪会見もなければ
1 ,000円を返金するだけで全く誠意を欠いた対応となったようだ。
ここで私は、
東北震災による福島原発事故の大惨事を引き起こした直後の
東電へのマスコミ対応を思い出した。
芸能人の痴話喧嘩報道には血道を上げるが、
東電への取材は全くと言っていいほどなかった腰抜けぶり。
ディズニーと東電の共通点は、
広告に巨額を投じるメディアにはありがたいお客様ということだ。
食を扱う業界(口)から情報を扱う業界(目と耳)まで
病巣がかなり広がっている今の日本。
三猿よろしくすべて塞げということか。
いつも私が講演会で言うとおり、やはり国民が賢明になるしかないのである。
<ラポールの風4号巻頭言 ラポール倶楽部代表 山本弘人>
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