労働移動のターゲットとは?
アベノミクス「労働移動政策」の真の怖さとは。
アベノミクスが進める「労働移動」政策。
前回は、政策を実行する上での現実の厳しさについて述べました。
成熟産業(言い換えれば衰退産業、ゾンビ産業)から
成長産業に労働力を移動させ、有効な再配置を図るのが
この「労働移動」政策ですが、
ではターゲットとなる「成長産業」とは何でしょうか?
■4分野の市場拡大と雇用規模の増大を図る
労働移動のターゲットになる成長分野として
「戦略市場」とされるのは、
①健康・医療、②エネルギー、③次世代インフラ、
④農業・食糧関連産業および訪日外国人向け観光
の4分野です。
政府はこの4分野の市場規模や、
雇用規模を増大させる方針を打ち出しています。
■成長市場の主な数値目標
成長市場の主な数値目標はかなり衝撃的なものになっています。
これは、首相官邸「日本再興戦略-JAPAN is BACK-」に出ています。
表にすると次の通りです。
成長市場の主な数値目標(下図参照:上段は国内市場規模、下段は雇用数)
■アベノミクスの狙い
では実際にこの分野の何をどのように成長させるのでしょうか?
①健康・医療の分野
・健康増進・予防や生活支援に関する市場・産業を創出
・医療・介護提供体制の強化
・高齢者向け住宅の整備
・良質な医療やリハビリサービスへのアクセス
・介護ロボット産業の活性化
②エネルギーの分野
・スマートコミュニティ
・エネルギーマネジメント産業、燃料電池、
・住宅やビルの省エネ改修、
・次世代自動車(燃料電池自動車等)、
・電池・充電制御、水素供給インフラ等
③次世代インフラの分野
・安全運転支援システムや自動走行システムの開発・環境整備
・道路交通情報等の車両関連ビッグデータによる情報サービス
・物流システムの高度化、
・IT等を活用したインフラ点検・診断システム、
・衛星システム等の宇宙インフラの整備
④農業・食糧関連産業の分野
農業・食糧関連産業および訪日外国人向け観光の分野の2つを
まとめて「世界を惹きつける地域資源」政策としています。
【農業について】
・新たな育種技術や高機能・高付加価値農林水産物の開発、
・IT・ロボット技術等の科学技術イノベーション
・生産・流通システムの高度化
・市場・産業の拡大・発展を図ること等により新規就農し定着する農業者を倍増
【観光について】
・富士山をはじめとする世界遺産や、他国にないユニークな観光資源の魅力を世界に向けて発信し、訪日外国人向けの市場を拡大
■一朝一夕には動かない。でも決断は迅速に
これらの産業は、成長産業として注目されていますが、
一朝一夕にパワーアップさせるというわけにはいきません。
強い日本を創るというアベノミクスの目的が達成されるには
かなりの時間と紆余曲折があると思われます。
しかし、「労働移動支援助成金」政策は
2014年度から実際に施行され、
代わりに「雇用調整助成金」は一気に縮小されていきます。
これが意味するものは、
今まで「雇用調整助成金」で雇用をつなげてきた、
成熟産業の労働者を解雇すること。
そして、労働移動を促進するために「労働移動支援助成金」
を支給されることになります。
企業にも労働者にも躊躇している時間はないということです。
乗り遅れると倒産、解雇が目の前に迫っているといえます。
これがアベノミクスの本当の怖さでもあるのです。
■どうなる私たちの生活?
補正予算5.5兆円の効果は、2014年度後半にならなければ見えてきません。
労働移動される側も、自らのスキルを上げないと生き残れない!
円安で、ガソリン・ガスなどのライフラインの物価や食料品など生活必需品も上がっている。
4月の消費税アップ後の私たちの生活はかなり大変?
になるかも知れません。
■時代が動いている時、自己防衛は必須です
『もし今、リストラにあったら、会社が倒産したら、
あなたに残っているものは何?
自らが稼げる力を身につけてほしい…。』
@brushup003さんのツイートです。とても心に残りました。
稼げる力=転ばぬ先の杖です。
その杖とは、、
「今の収入源以外に財布を持つこと。」
「生活程度を下げずに節約すること。」
その具体的な方法を「安心生活」は提供しています。
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