20人に1人が死ぬ手術


どちらの効果が高そうでしょうか?
(画像は朝日新聞デジタルより転載)

 

脳科学マーケティング100の心理技術

 

■フレーミング効果

 

あなたは脳腫瘍で手術しなければなりません。

手術をしないと余命は1年と告げられました。

 

ここで2つの病院があります。

 

A病院の先生
「死亡する可能性もありますが、生存率95%の手術です。」

 

B病院の先生
「受けた患者の20人に1人が死亡する手術です。」

 

あなたはどちらの手術を受けますか?



勘の鋭い人ならもうお気づきだとは思いますが、
この2つは数学的には全く同じ確率です。

 

しかし、これを見たほとんどの人が
B病院の方をより危険だと感じています。

これは「フレーミング効果」を応用したものです。

 

■ポジティブかネガティブか

 

「脳科学マーケティング100の心理技術」
P.237より抜粋。
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ツヴァイクは、情報の提示のされ方によって
解釈のされ方が異なること ──

すなわち「フレーミング効果」について、
時間をかけて説明している。

それ に関する驚きの例の1つが、
数字をパーセンテージで示す場合と
絶対数で示す場合の違いだ。

 

ツヴァイクによれば、

「10%」と「10人中1人」といった
微妙な表記の違いでも、
読む人は異なる反応を示すそうだ。

 

そして例としてこのような実験を挙げている。
それは精神科医に、このような患者を退院させるかと
尋ねる実験で、

「6カ月以内に暴力行為を起こす確率が20%の患者」に対して、
退院させると答えた精神科医は79%だったが、

「100件中20件の割合で6カ月以内に暴力行為を起こすような患者」
という表現にすると、
退院させると答えたのは59%になったという。

 

また別の実験では、
「罹患した人1万人中1286人が死亡する」ガンのほうが
「死亡率12.86%」のガンよりも
危険性を32%高く感じる
という結果が出 ている。

 

この違いは、人数で示したほうが
人としての現実味を感じさせることからくる。
「2%の確率で不運に見舞われる」と聞くと、低く感じられるが、

「100人中2人が被害に遭う」と聞くと、
脳は実在する2人の人がケガをすることを想像してしまうのだ。

 

自社商品やサービスの長所を説明するときの数字は、絶対数のほうが 効果大だ。

実数には無意識に人の脳を働かせるパワーがあり、
パーセンテージ表記には人に考えさせないパワーがある。

 

要するに、

ポジティブなこと:実数をつかう
ネガティブなこと:パーセンテージをつかう

というルールである。
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あなたのお店の数字や、ホームページや広告の数字にも
今すぐこの法則を試して見てください。

 

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『「賢いマーケティング」とは、
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非常にオススメの本なので
是非、チェックしてみてください。

 

■著者紹介

ロジャー・ドゥーリ―

ロジャー・ドゥーリ―(Roger Dooley
マーケティング・コンサルタント会社「ドゥーリー・ダイレクト社」の創業者であり、人気ブログ「Neuromarketing(ニューロマーケティング)の執筆者。
コミュニティ・アーキテクト&サイトストラテジスト。カタログ販売のマーケタとしてマーケティングの世界で頭角を現す。
IT ビジネスに進出するかたわら、脳科学、行動科学に興味を持つようになり、独自に脳科学の最新知識をマーケティングの世界に活用した「ニューロマーケティング」を研究し、第一人者となる。
オンラインコミュニティの構築、Web プロモーション、検索エンジンマーケティング、ダイレクトマーケティング、マーケティング戦略、ソーシャルネットワークに至るまで、幅広い分野に精通している。
クライアントは、「フォーチュン500」企業から小規模のe コマース企業まで幅広く、最新の脳科学と行動科学から導き出した、クライアントのためのよりよいマーケティングを提唱している。
ニューロマーケティングの「宣教師」として執筆や講演なども積極的に行い、その発言は主要メディアで頻繁に引用されている。
カーネギー・メロン大学より工学の学位、テネシー大学より経営学修士(MBA)を取得。テキサス州オースティン在住。