後期高齢者医療:手術は成功しても残る二つの心配
今年米寿、父もしぶとく生きようとしている。
■経過良好
前回は、父の転院の経緯と膵臓炎の内視鏡手術について書きました。
おかげさまで術後の経過が良く、
近々前の病院へ転院できることになりました。
手術から4日後には点滴も外れ、
流動食ではない柔らかめの食事を摂れるようになっていました。
父も寝たきりになって半年以上経ち、痴呆症の発症を心配していましたが、
さすがに昭和ひとけた生まれ。
物忘れはみられますが、強靭な精神力で単調な毎日に堪えています。
これで点滴も外れて以前の病院(国立東長野病院)に戻れれば、
リハビリに専念できるかもしれません。
■二つの心配
とはいえ、心配なことがあります。
一つは肺炎
東長野病院に最初の病院から転院したのが今年の2月
寒い時期のせいか軽い肺炎にかかってしまいました。
軽いとはいっても、今年の米寿。
高齢者の死亡原因のトップが肺炎です。
これで点滴生活が続くことになったのです。
今は食事も摂れているので一安心ですが
誤嚥などにより、外的な肺炎をおこす恐れもあります。
食事の際は慎重にと、本人も気をつけています。
二つめは再転院
高齢者医療制度により、
一病院に3ヶ月間入院すると転院しなければなりません。
それも、退院を勧められるというより強制退院に近い勧告を受けます。
■日本の高齢者医療の建前と本音
これは、高齢者においては本当は退院できる状態なのに、
介護(看護)できる人がいないために入院させているようなケースを防ぐ
という表向きの理由があるからです。
裏の理由?はビジネスだからです。
最大の理由は、入院の保険点数が91日目から減ることです。
具体的には、
「75歳以上(障害者は65歳以上)の高齢者が一般病院に入院すると、91日目から後期高齢者特定入院基本料の算定が始まり、医療報酬は3分の2以下に減額された上に、投薬や検査については1円も支払われない」
という状況になるからです。
これでは致し方ない。
もっとも病院のベッド数が慢性的に不足している今の状況では、
在宅介護を推し進めなければなりません。
ずっと入院していられる病院もありますが、
それもビジネスの条件を満たしていなければダメです。
これについては、後日詳しく書こうと思います。
自宅で介護できない場合は、市の介護保険課等で
老健施設を紹介してもらうことも考えておかなくてはなりません。
東長野病院に戻れても、次のステップを準備しておくことが必要になりそうです。