法人税減税と引き換えになるのはゾンビ企業潰しか?
ゾンビ企業潰しのアベノミクス
法人税減税と引き換えになるのはゾンビ企業潰しか?
法人減税をめぐって外形標準課税拡大の議論が政府税調でスタートしました。
アベノミクスの政策の一つ「ゾンビ企業退治」については、
以下に経緯を記してあります。
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http://minnanohiroba.jp/anshinseikatsu/1041-1041
では一体どのように退治するのでしょうか?
今回の政府税調で、「ゾンビ企業退治」の方法が具体的になってきました。
それは、黒字法人の法人税を減税する代わりに、赤字法人への課税を強化するプランです!
■外形標準課税枠の拡大
具体的には外形標準課税の枠を拡大することです。
外形標準課税とは、
資本金1億円超の大会社に対して事業税と課されている税金です。
これは利益に関係なく、
賃金や土地建物の額などに基づき課税を行うもので、
赤字法人もその対象となっています。
この外形標準課税の適用範囲を拡大して、
現在は課税されていない赤字法人まで対象にすることで、
法人税の実効税率を下げても
税収の減少を最小限に抑えることが可能になります。
■租税特別措置の廃止
また、租税特別措置など、
特定企業を優遇している税制を廃止することで、
課税ベースを拡大し、税収不足をカバーしようとしています。
租税特別措置は製造業や建設業を中心に、
特定の業界や企業の税金を優遇する制度です。
この優遇措置が政治利権化しているものもあり、
この制度をなくし課税ベースを拡大すれば、
法人税率を引き下げても、税収は減らさずに済みます。
■赤字企業もさまざま
日本には中小企業が約430万社ありますが、
このうち7割以上が赤字法人で法人税を支払っていません。
本当に利益が出ていない中小零細企業も多いのですが、
中には意図的に経費をかけ、ギリギリ赤字にして税金払わない企業もあります。
大手企業の中には、巨額の損失を利用して損失を繰り越し、
実質的に税金を支払っていないというケースもあります。
■ゾンビ企業退治
アベノミクスは、衰退産業の業界の淘汰とともに、
こうした「ゾンビ企業」をも退治しようとしています。
その「新陳代謝」を促される企業は30〜40万社とも言われています。
外形標準課税はこうした企業にも網を掛けることになるので、
税収の増加が期待できるだけでなく、「ゾンビ企業の淘汰」
という目的も果たせるとになります。
新たな税は、確実に経営を厳しくしますから。
これはうがった見方かもしれませんが、、
赤字を続ける企業から成長産業へ、ヒト・モノ・カネの移動を
法的に早める一つの方法であることは間違いありません。
■転ばぬ先の杖
税調で検討されているこれらのプランは、
遅かれ早かれ法制化され、現実のものとなるでしょう。
これまでならさまざまなセーフティーネットを設けたうえで
施行に至るのでしょうが、アベノミクスは
「ゾンビ企業淘汰」「衰退産業の退場」を打ち出しています。
かなり厳しいものになることを覚悟しなくてはなりません。
もしあなたが、70%の赤字企業、さらに30〜40万社の対象企業で働いているなら
自らを助けるセルフセーフティーネットを用意しておくことです。
それが「転ばぬ先の杖=個人年金」です。
■自己防衛のための転ばぬ先の杖はこちら
http://minnanohiroba.jp/anshinseikatsu/1798-1798