国の増収政策は諸刃の剣―2014年度与党税制改正大綱原案―
「入るを図る」政策は諸刃の剣
―2014年度与党税制改正大綱原案に見る―
昨日、軽自動車税を1.5倍にするという政府・与党方針が出されたことで、
2014年度与党税制改正大綱の原案がほぼ出揃いました。
もちろんアベノミクスの一環です。
新聞報道などを元にまとめてみました。
【増税策】
■消費税
・簡易課税制度を見直し。
「みなし仕入れ率」を金融業・保険業で60%⇒50%に、不動産業で50⇒40%に引き下げて課税を強化
■自動車関連
・軽自動車税1.5倍に増税の方針(自動車取得税を5%から3~4%に引き下げの代替)
・登録から11年を超えた古い車に対し、自動車税・自動車重量税の課税強化
■給与所得控除部分の縮小
・控除上限額の段階的縮小。
「年収1200万円超」が増税⇒2016年1月より。「年収1000万円超」が増税⇒2017年1月より
<例>夫婦と子供2人の4人家族で、年収1200万の場合現在より3万円増。年収1500万円の場合11~14万円増
【減税策】
■国家戦略特区
・特区内の医療分野の研究開発で、研究機械の固定資産税や設備投資を減税
■リニア中央新幹線
・用地取得にかかる登録免許税と不動産取得税を非課税に⇒JR東海の負担軽減
■大企業の交際費非課税
・資本金1億円超の大企業は、交際費(飲食のみ)の50%を損金(経費)扱い可能に。中小企業も選択可。
さらに、
■地方法人課税の国税化
・14年10月より、法人住民税の一部を「地方法人税」として国税化し、地方交付税として再配分。現行の地方法人特別税は2/3に縮小
あなたはどんな感想を持たれますか?
増税策3点は、国民全体から、広くより厚く徴収するのはもちろん、企業からも消費税の取りっぱぐれのないように手を打っています。
そして、今回は高額所得者増税の策も入っています。
減税策は、JR東海や大企業(中小企業は選択制)が対象です。
まさに、アベノミクスの考え方どおりですね。
日本の再生と強い日本を創るためには、アベノミクスは不可欠です。
とはいえ、取れるところから取るだけという、余りに安易で官僚的な発想が目につくのは私だけでしょうか?
安心安全を為すためには、国家でも企業でも家庭でも、さらに個人でも
「入るを図りて出ずるを為す」
は最も基本的な考え方です。
まだ国の政策の中に「出ずるを為す」の気配が感じられないのは残念なことです。
さらに厄介なことには、今のところ
国にとって「入るを図る」は、私たち国民にとっては「出るを図る」と同義です。
このままでは国を安定させる前に、私たち自身が疲弊しかねません。
家庭の自己防衛策「入るを図りて出ずるを為す」については
このサイトでも再三その方法をお伝えしてきました。
ご一読をお勧めします。
■私たちが自ら「入るを図りて出ずるを為す」ためのセミナーをご案内します。
全国で開催しています。詳細はこちらから