アベノミクスの農業改革が犠牲にするもの

 

農業の第6次産業化に拍車

規制改革会議、農業改革の原案をまとめる。

 

 


政府の規制改革会議は14日の農業作業部会で、農業を本格的に事業化している企業に農地の所有を 認めることを柱とした農業改革の原案をまとめた。

農業協同組合の組織改革では、全国農業協同組合中央会(JA全中)が地域農協を統率する仕組みの 廃止も打ち出した。環太平洋経済連携定(TPP)交渉の妥結に備え、農業の競争力を高めて活性化するため、 農政の転換を図る。

改革案は、農業を成長産業にするため、〈1〉企業の参入促進〈2〉農協組織の見直し 〈3〉農業委員会の改革――の三つを柱に位置付けた。農林水産省などと調整し、今月にも正式決定する。 政府は6月にまとめる成長戦略の柱に、農業改革案を盛り込む。

企業の参入では、農業生産法人への出資規制を現在の「25%以下」から「50%未満」まで緩めて、 農業を事業化しやすくする。

さらに「農業生産を一定期間、継続している」などの条件を満たした企業は100%出資できると踏み込んだ。
本格的に農業に取り組む企業は今後、全額出資して農業生産法人を設立し、農地を持てるようにする。 規制緩和の具体的な条件は、6月までに詰める。

(後略:データソース:5月15日Yomiuri online)


 

 

■農業成長戦略の概要

農林業センサス、農業構造動態調査(農林水産省統計部)の平成24年のデータによると、

全農家数150.4万戸に占める小規模農家、第2種兼業農家は57%超の85.9万戸。

今、この農家のあり方が大きく変わろうとしています。

農業を成長産業にし、国際競争力をつけるため、

〈1〉企業の参入促進〈2〉農協組織の見直し 〈3〉農業委員会の改革

を中心にした成長戦略を今月にも正式決定し、

6月にまとめる成長戦略の柱として農業改革案を盛り込むことにしています。

消費税アップの導入でもお分かりのように、

一旦政府(安倍政権)が決めたことは、かなりのスピードで実現しています。

農業改革も然り。

漫然と政治の動きを傍観していると、後で慌てることになるかもしれません。

 

■農協の終焉

農協が農業改革を阻害してきたことは既に明らかですが、

一方、農家を大きな政治の波から守っってきた

防波堤の役割もあったことは事実です。

何といっても大きな政治的圧力団体でしたから。

アベノミクスはTPPの件も含め、

農協のバックアップを棒に振ってでも改革を進めようとしています。

裏を返せば、何もしなければもっと大きな危機を招くという判断からでしょう。

さて、農業改革の内容に戻ります。

〈2〉農協組織の見直し については4月30日の記事
 ↓↓↓↓↓↓↓
http://minnanohiroba.jp/anshinseikatsu/?p=1928

に書いたとおりです。

 

■第6次産業化

今回の主眼は農業の第6次産業化

〈1〉企業の参入促進

 農業の企業化・大規模化を図り競争力を高めること。

〈3〉農業委員会の改革

 そのために、農業委員会の権限をなくし土地取引を容易にすること。

最終的には、農業生産法人の設立と

やる気のある農家が規模を拡大しやすくすることを目的にしています。

 

■小規模農家の選択

では、はじめに述べた小規模農家、第2種兼業農家(自給農家は除く)

はどうなるのでしょうか?

①農業企業家を目指す

②農業・流通を業務とした給与所得者

③土地を売って完全に農業を止める

④その他

という選択をすることになるでしょう。

この選択の結果、どのように収入増に繋がるのかは、

6月の成長戦略で明らかになると思われますが

かなり厳しい場面も覚悟しなくてはならないかもしれません。

(…もちろんセーフティーネットも併せて策定されるはずですが。)

いずれにしても6月の成長戦略を注視しましょう。

そして、万が一でもアベノミクスの農業改革の犠牲にならないよう

今から「転ばぬ先の杖」の準備を怠りなく。

 

 

■転ばぬ先の杖で自己防衛を

日本がどのような状況になっても、

安心して生活できる方法を持っておく必要があります。

401K制度のように自己責任で自分の年金を創る方法もあります。

ただ、これは一定以上の規模の企業でなければ採用することが困難です。

 

現在の年金制度も、

人口減で支給額は減額、支給開始年齢もさらに引き上げ。という状況です。

 

仕事をリタイヤしても生涯継続する安定収入があれば、

アベノミクスや社会情勢の変化に一喜一憂せずに済みます。

ひと月10万円でも20万円でも年金にプラスできる収入があれば

安心生活が送れますね。

 

あなたがもうリタイヤしていても、外に仕事に出られなくても、

農業に従事していて将来が不安な状況でも、

安心生活を送るための継続収入を持つことができます。

 

それが転ばぬ先の杖です。

⇒ http://minnanohiroba.jp/anshinseikatsu/?p=1798

 

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