消費税増税の影響:消費税はスムースに転嫁できたのか?
増税分「まったく」転嫁できず…1割の中小企業
データソース:YOMIURI ONLINE 2014年06月10日 22時39分
全国の中小企業の経営者約4万3000人でつくる
「中小企業家同友会全国協議会」は10日、
回答企業の37%が消費増税分の3%を販売価格に
転嫁できていないとする調査結果を発表した。
具体的には、価格転嫁を「まったくできていない」が10%、
「部分的にできた」が27%だった。
増税により、
「影響が出ている」と答えた企業は48%に上ったが、
このうち「大きな影響が出ている」とした企業は10%だった。
影響の内容(複数回答)は、
売り上げの減少や、仕入れ額の上昇を挙げた回答が
それぞれ40%前後に上った。
また、全体の7・5%に当たる360社は
「取引先に不当な値引きを求められた」
などと回答したという。
調査結果は、会員が経営する中小企業約3万社のうち
回答のあった4780社分の内容をまとめた。
■中小企業の消費税転嫁
4月に消費税が8%に上がってから2か月以上が経過しましたが、
中小企業の1割が消費税転嫁できず、という結果です。
増税されたときに即時に転嫁せず、
様子見で後日転嫁しようとしても、非常に難しいのが現実です。
消費者は単なる値上げとしか認識しなくなりますから。
この報道は「中小企業家同友会全国協議会」加盟の中小企業への調査です。
日本の中小企業の定義は、
・製造業:資本金3億円以下又は従業者数300人以下
・卸売業:資本金1億円以下又は従業者数100人以下
・小売業:資本金5千万円以下又は従業者数50人以下
・サービス業:資本金5千万円以下又は従業者数100人以下
となっています。
中小企業と言ってもかなり大きな規模の会社ですね。
■小規模・零細企業では
ところが、日本の企業のほとんどを占める
零細企業にはまだ調査の手が入っていません。
小規模・零細企業の定義は、
・製造業・建設業・運輸業、その他の業種(卸売業・小売業・サービス業を除く)は従業者数20人以下
・卸売業・小売業(飲食店を含む)・サービス業は5人以下
ですから、多くの零細企業では
消費税の転嫁がさらに困難だということが推測されます。
■護送船団方式の終焉
しかし、今月中に発表される成長戦略には、
これら零細企業のセーフガード政策は入っていません。
アベノミクス自体が、
税収を見込める業界・企業育成を主眼にしているためです。
赤字企業にはさらに青菜に塩の政策「外形標準課税」が
適用されようとしています。
自らを強くできる企業でないと、
これからの日本の社会での生き残りは、かなり厳しいものになりそうです。
アベノミクスの完了によって、
戦後の護送船団方式が、完全に終了することになるのです。
■セーフガードは自らの手で
そもそも論で言えば、
日本の人口が毎年87万人ペースで減少していくことによる
経済の縮小を食い止めるのがアベノミクスの目的です。
厳しい言い方をしますが、
アベノミクスで全ての日本人が裕福になることは絶対にありません。
パイがどんどん減っていくのですから。
それを少しでも早く理解して準備を始める必要があります。
個人で自分の年金をつくることです。
これが個人年金=転ばぬ先の杖です。
準備を始める年齢は関係ありません。
たとえ既に転んでしまったとしても大丈夫です。
気づいた時点で始めれば間に合います。
■今からでも間に合う転ばぬ先の杖
⇒ http://minnanohiroba.jp/anshinseikatsu/?p=1798