赤字企業にも非情な課税が?
岐路に立たされる中小企業
恐怖の一律課税が待っている?
政府が6月24日、経済財政運営の指針「骨太の方針」と新たな成長戦略「日本再興戦略改訂版」、
そして規制改革実施計画の3つを閣議決定したことは、
⇒ http://minnanohiroba.jp/anshinseikatsu/?p=2155
に書いたとおりです。
■法人税減税
その中でアベノミクスがもっとも力を入れて実現しようとしているのが
骨太の方針の第一番目、
◎法人税減税:法人実効税率を数年で20%台を目指し、来年度から引き下げを開始を始める
ということになります。
法人税減税の目的は、
①日本の産業空洞化を防ぎ、経済成長に資する。
②海外との競争に勝つ。
③海外投資を呼び込む。
概ねこの3点です。
現在、日本は法人税が高い国の一つです。
数字で見ると、
日本の法人が平成26年度以降に支払う税金の割合は34.62%。
アメリカのカリフォルニア州の40.75%より低く、フランスの33.33%と同程度です。
しかし、日本の競争相手であるアジア各国の税率は、
中国:25.00%、韓国:24.20%、シンガポール:17.00%と、
かなり低いのが現状です。
これらの国々に流れていく投資を呼び込むには、
やはり法人税の大幅な引き下げが必要です。
とはいえ、法人税減税を行えば良いこともある反面、税収はかなり落ち込みます。
法人税を1%下げるとおよそ4700億円の減収と試算されています。
この減収をまかなうための財源確保は必須です。
では、どのようにして減収を穴埋めするのでしょうか?
■赤字企業からも税を徴収
政府税調が了承した「代替財源」案のトップが、
赤字企業も対象となる外形標準課税を中小企業に広げることです。
外形標準課税とは、資本金が一億円以上の企業が対象ですが、
これを赤字の中小企業にも広げるという話です。
2012年度の赤字法人の割合は全国平均で73.50%!
実に全法人の4分の3が税金を払っていないのです。
この中には、税金逃れで赤字決算を続けている企業も少なからずあります。
実行にあたっては、対象企業の状態をよく見極めることが必要です。
だたし、見極めができなければ一律課税というコワイ措置が待っています。
ちなみに、中小企業の定義は、
・製造業:資本金3億円以下又は従業者数300人以下
・卸売業:資本金1億円以下又は従業者数100人以下
・小売業:資本金5千万円以下又は従業者数50人以下
・サービス業:資本金5千万円以下又は従業者数100人以下
■租税特別措置の見直し
企業の研究開発などを支援するため、特別に法人税の減税や免除をしているのが「租税特別措置」です。
これも聖域とせず抜本的に見直すこととしています。
■パチンコ税?
パチンコを楽しまれている方には面白くない話かも・・・
パチンコやパチスロの換金時に徴税する「パチンコ税」の創設が浮上しています。
税率1%で2千億円の財源が生まれるとの試算あり、景品現金化を合法にしつつ、税収を確保できます。
例えば5%の税率だと1兆円の税収増。
法人税を1%下げるとおよそ4700億円の減収となりますが、パチンコ税だけで賄えるかもしれません。
換金を合法にすることは、
パチンコ業界のブラックマネーをオープン化することにもなります。
どこかの国に流れていると言われている「円」のコントロールもできるなら
一石何鳥もの効果があるのかもしれません。
■セーフガードは自らの手で
アベノミクスは、すべての企業の生き残りを考えていません。
厳しい言い方をしますが、
成長産業に優しく、ゾンビ業界は潰せということです。
税金の払えない企業・業界には退場してもらおうというのがアベノミクスです。
パイがどんどん減っていくのですから。
それを少しでも早く理解して準備を始める必要があります。
個人で自分の年金をつくることです。
これが個人年金=転ばぬ先の杖です。
準備を始める年齢は関係ありません。
たとえ既に転んでしまったとしても大丈夫です。
気づいた時点で始めれば間に合います。
■今からでも間に合う転ばぬ先の杖
⇒ http://minnanohiroba.jp/anshinseikatsu/?p=1798