東京ハードナイト 18
「どうしても嫌だと言うなら、戻りたいと言わせてやる」
堂本は片方の目を少し細めてそう言うと、見る見るうちに由一から衣服を剥ぎ取っていく。
「あっ・・・堂本さんっ!」
スラックスや下着、靴下まで脱がされてしまい、すっかり裸になった由一は、手で股間を隠すようにして叫ぶ。
だが堂本は、初めて見る由一の裸体を片目でじっくりと見回しながら、脱がせた衣服を放り投げてしまった。
「堂本さん・・・」
堂本の何かを決心したような顔を見て、由一がソファの上で固まってしまう。
怖いと由一は思ったが、その反面、これから何をされるのかという期待感もあった。藤堂と真琴の濃厚なセックスシーンを何度も見ていた由一の頭には、多少なりともセックスの知識がインプットされていた。
だから、不思議と抱かれるということに対しての恐怖はなかった。
ソファに座り直した堂本は、由一の裸体を片目でじっくりと見回してから、口を開いた。
「・・・手で隠すな」
と、堂本はテーブルの上のウイスキーが注がれているグラスを手に取って、落ち着いた口調で命令した。
「あ、あの・・・?」
「言われた通りにしろっ」
逆らうことを決して許さない堂本の命令口調に、由一の裸体がビクンッと震える。
「・・・はい」
由一は言われた通りに、股間を隠していた手を退けた。
だが手はブルブルと震えていて、うまく由一の言うことを聞いてくれない。
そんな由一の手を、堂本が焦れたように捕まえた。
「この手は邪魔だな?」
と、言うが早いか、自分が締めていたエルメスのネクタイをシューッと外し、それで由一の手を後ろに回して縛ってしまう。
「あっ・・・ 堂本さんっ!」
由一が、何をされているのか気づいた時にはもう遅かった。
完全に逃げ道を塞がれ、そして抵抗することさえできない状態に追い込まれていた。
しかも、あっという間に。
「堂本さん・・・ あの・・・手を解いてくださいっ」
と、由一は哀願したが、堂本は冷酷な光を放っている左目を細めるだけで、何も言わない。
そして視線を下げ、由一が今まで手で隠していた下半身をじっと見つめた。
「み、見ないでっ」
驚いたことに、由一の分身はすっかり勃起していた。
しかも、堂本に見られていることが嬉しいのか、ピクンッと息を潜めて震えている。
堂本もそれには驚いてしまい、ふふっと笑った。
「・・・俺にキスをされて感じたのか?」
「そ、そんなことは・・・ 」
「じゃあ・・・これはどういうことなんだ?ん?」
と、堂本が由一の顎を掴み、強引にキスをする。
由一はキュッと目を瞑ってキスを受けていたが、身体は正直だった。
キスされたことがしょうがないとばかりに、ピクンピクンと勃起した分身を震わせる。
堂本はそんな分身を愛しく思ったのか、キスをしたまま由一自身をやんわりと握り締めた。
「んっ・・・」
その瞬間、由一の下半身がピクンッと跳ね上がってしまう。
堂本に握られている分身は、たったそれだけでイッてしまいそうなくらい感じていた。
「身体は素直で言うことを聞くのに、どうして由一は素直じゃないんだろうな?ええ?」
堂本は、ギュッと分身を握り締めながら言った。
「あっ・・・きつい・・・」
痛そうに顔を顰めて由一が呻く。
「きつくしてるんだ。当たり前だろう?」
堂本は耳元に低い声でそう言って、もっと強く握り締めていく。
「ひぃ・・・うっ・・・」
由一は、声にならない悲鳴を上げて思いきりのけ反ってしまう。
手を後ろで縛られているので、どうしようもなかった。
「い、いや・・・痛いっ」
由一は、大きな堂本の手に握られて、見る見るうちに血色がなくなっていく分身を見下ろして、ひぃ・・・と息をのむ。
このまま、握り潰されてしまいそうなくらい痛かったのだ。
「いやいやっ・・・痛いっ」
「痛くしている。当たり前だ」
堂本は、ソファの上で何度も跳ね上がっている由一を見ても、まったく表情を変えない。