東京ハードナイト 28
そのためにも、由一を最初から教育しなければならない。
柔順で素直で、いつも凛としている美しい情夫に。
「堂本さんっ・・・いいっ。あぁぁぁーーーーーっ」
由一は、自分でも訳が分からなかった。
泡だらけの股間をいやらしくくねらせて、手を上下に揺らして、ただ喘ぎまくっている。
その半狂乱になりそうな快感を与えているのは、背中に毘沙門天の刺青を背負った、ヤクザなのだ。
高層マンションと外車。
広くて豪華なバスルーム。
中国製の最高級の媚薬。
どれもこれも、お花屋さんで働いていた頃の由一からはまったく想像もできない世界だった。
そして、堂本の指に激しく蕾を犯されながらイッてしまい、自分で自分の声に驚くほど、喘ぎ続けた由一は、もはやお花屋さんで働いていた頃の自分に戻れないんだと、ぼんやりとしている頭の中で思った。
だけど不思議なことに、今の自分を恥じる気持ちはまったくなかった。
それどころか、堂本にこんなにも大切にされ愛されている自分が、嬉しくて堪らない。
見知らぬヤクザに攫われた時も、堂本は助けてくれた。
何より由一の命を優先させて、救い出してくれたのだ。
もうお花屋さんだった頃の自分に戻れなくたっていい。
真琴様のように、情夫であろうと胸を張って堂々と生きていく。
由一は感じまくっているなかで、ふと冷静にそんなことを考えていた。
「誰が勝手にイッてもいいと言った?んん?」
堂本は、由一が自分で分身を扱き、勝手に頂点を極めたことが気に入らなかった。
由一が放ったものはすべて飲み干してやろうと考えていた堂本は、片目を細めてムッとして聞いた。だが、まだ絶頂の中をさ迷っている由一にまともな答えなど返せるはずがない。
「あんっ・・・グチュグチュしてて・・・すごいの・・・」
堂本の指が深々と入っている蕾のことを言っているのだろうが、目は焦点が合っていなくて宙をさ迷っている。
もうすっかり、イッた瞬間に意識が飛んでしまった・・・そんな感じだった。
こんな由一を、もう一度正気に戻すには、身体中に塗りたくった媚薬入りのボディソープをシャワーで洗い流してやるしかない。
堂本は、少し薬が効きすぎてしまったことに口端を上げるようにして笑いながら、シャワーのコックを捻った。
「あっ・・・ああっ」
だが問題が一つだけある。
全身の五感が何倍にも敏感になっているところに、勢いよくシャワーを当てたら由一はそれだけで感じてしまって、イッてしまうのだ。
「あぁぁぁーーーーっ」
案の定シャワーが上半身に当たったとたん、由一は大理石の上で身体を跳ね上がらせた。
まるで、海老のようである。
だがシャワーの感触は、それくらい強烈な快感を由一に与えていた。
堂本は、そのままシャワーの口を下半身に向ける。
勢いのあるシャワーを股間で受けた由一は『ひぃぃぃーーーーーっ』と叫び声を上げたまま、失神してしまった。
だが失神して意識が飛んでしまっても、由一の分身だけは元気にピクピクッと痙攣している。
堂本はそんな由一の分身からボディソープを丁寧に流すと、全身にもシャワーをかけて綺麗にしていった。