東京スペシャルナイト 下 19
- 2016年04月18日
- 小説, 東京スペシャルナイト
宇宙は、恭也の責めにいつしか感じてしまっていたのだ。
「宇宙・・・」
一瞬、そんな宇宙から顔を逸らしそうになる。
だが遼一は、宇宙が涙ながらに言っていた言葉を思い出した。
『絶対に嫌いにならないでね。どんなに淫らになっても、嫌いにならないでね』
それは、こうなることを宇宙が予知したかのような言葉だった。
宇宙は、責められれば感じてしまうことを知っていたのだ。
だから、あんなことを言ったのだ。
「宇宙・・・私は逃げないっ。決して逃げないから」
遼一は、無残な姿の宇宙に向かって叫んだ。
その声が聞こえたのか、宇宙が口枷を嵌められたままコクンと頷く。
こんな姿を見られても遼一が自分を嫌いにならないことに感謝しているかのような眼差しで遼一を見つめている。
ただじっと、見つめあう二人。
だがそんな二人が気に入らない亨は、恭也にもっと激しく宇宙を責めるように言った。
恭也も、見つめ合っている二人が気に入らなかったので、すぐに手に持っているバイブを押し込む。
「んぐぅぅーーーーーーっ!」
宇宙の下半身が、床の上で魚のように跳びはねる。
巨大なバイブは、根元まで蕾の中に押し込まれていた。
「んんーーーーーーんーーーーーーーっ」
ピクピクッと内股の皮膚を痙攣させながら、宇宙が目を白黒させる。
バイブの先端が先ほどのパールのバイブよりももっと奥に当たり、下半身が蕩けてしまいそうな絶頂感を味わったためであった。
殴る蹴るというような拷問ではなかったが、宇宙は終わりの見えない快楽という拷問をされていた。
頭が霞んでクラクラする。
遼一が見えない。
あっ、あっ、またイッちゃう!
誰か、止めてぇぇーーーーーー!
バイブが奥のほうに当たって、そのたびに腰が溶けちゃいそうになる。
もう、どうしたらいいのか分からないっ。
バイブがズンズン入ってきて、突起物が気持ちよくて、蝋を垂らされた分身が敏感になっていて、ちょっとの刺激でもイッてしまう。
本当に、どうなってしまうのか分からない。
このまま、遼一が見ている前で気が狂ってしまうかもしれない。
どこもかしこも敏感になって、感じすぎて、喘ぎまくって死んでいくんだ。
きっとそうだ。
宇宙は、バイブに激しく犯されながらそんなことを考えていた。
そして遼一に抱かれた時のことを思い出す。
どうせ死ぬなら、遼一に抱かれたまま死にたかった。
遼一の腕の中で死にたかった。
こんなことになってしまったけど、でも遼一に出会えてよかった。
宇宙は、意識が遠のいていく中でそんなことを考えていた。
こんなひどい目に遭ってるけど、でも遼一に出会えてよかった。
遼一に出会えなかったら、本当の愛を知らないで一生を送ったかもしれない。
本物の愛を知らないまま、おじいさんになっていたかもしれない。
だから遼一、自分のせいだなんて言って自分を責めないで。
ねっ、遼一。
宇宙の意識が遠のいていく。
そのとき、遼一の声が聞こえて、宇宙ははっとして意識を現実につなぎ止めた。
「くぅぅーーーーーーーっ」
意識が戻ると、また絶頂感が宇宙を襲う。
宇宙は、ピクピクッと分身を激しく痙攣させながら何度目かの飛沫を放った。
だがもう出なかった。
体液は、すっかり出尽くしてしまったのだ。
だがイッた感覚だけは、脳に鮮やかに残った。
その感覚が宇宙をもっと苦しめていく。
「おい、口枷を外してやれ。どんな声で泣くか、聞いてみたい」
遼一の腕を持っている亨が言うと、ヤクザの一人が宇宙の口に嵌められていたボール状の口枷を外していく。
ベッドリと唾液が付着している口枷を、遼一の目の前に放り投げる。
「遼ちゃんっ!助けてっ・・・もう・・・死んじゃうっ」
宇宙は口枷が外れると、心とは裏腹に思わず遼一に助けを求めた。
遼一が宇宙のそばに駆け寄ろうとする。
だが足枷と亨の腕が、遼一の行動を阻止していた。
「宇宙っ、宇宙っ!くそっ・・・離せっ・・・足枷を外せ、外せっ」
遼一が叫びながら暴れる。
だが暴れても足首から血が流れるだけで、足枷が外れることはなかった。
「遼ちゃん・・・助けて・・・死んじゃうっ。もう・・・死んじゃう・・・」
宇宙は涙を流しながら遼一を見つめる。
その瞳をじっと見つめながら、遼一は自由を奪われていることを呪った。
拳銃で撃たれた傷はどうってことはない。
せめて足枷がなければ、ヤクザたちと闘って宇宙だけでも助けてやることができるのに。
このままでは亨のいいようにされてしまう。
「おい、恭也。俺は男を抱いたことはないが、どんな感じだ?」
遼一がなんとか逃げ道を模索していると、亨が宇宙に興味を持った口調で聞いた。
遼一がはっとする。
まさか・・・亨が宇宙に興味を抱いたのでは?
「その男にもよりますが、女より締まりはいいです。中で出しても妊娠する心配がないので、セックスを存分に楽しむにはかえって男のほうがいいと言う人もいます。亨様、こいつに興味がおありですか?なんなら、一度試してみますか?」
と、恭也が目を細めて言うと、亨はベッドから下りて宇宙が寝かされているところまで歩み寄った。
ロープで手脚の自由を奪われ、両脚を左右に開き真っ赤な蝋で彩られている宇宙の姿は、男色家でなくても十分に興味をそそられた。
真っ赤に濡れた唇と、涙で潤んでいる瞳。
固まった蝋を剥がされ、何度も絶頂を迎えた敏感な分身は萎えることを許されず、蕾に挿入されている太いバイブによって地獄のような快楽を与え続けられていた。
もう何度イッたのか、覚えていない。
「あっ・・・いやっ・・・やめて・・・もう・・・死んじゃう・・・・・」
宇宙は、バイブがクチャクチャといやらしい音を立てて出入りするたびに激しく喘ぎまくった。
自分では懸命に耐えているつもりなのだが、責められている身体が言うことを聞かなかった。
与えられた快感を素直に表現してしまう。
分身の先端からは透明な蜜をたっぷりと滴らせ、バイブを美味しそうに根元までのみ込んでいる。
その姿に、亨の心が蕩けていった。
「あぁぁぁーーーーーーっ」
宇宙はまた、天高く追い上げられた。
何度目の絶頂だろうか。
もう、それさえも分からない。
「あぁぁぁーーーーーあぁっーーーーーいいっーーーーーーーっ」
バイブを深くのみ込んだまま、宇宙はきつく目を瞑り、腰をヒクヒクとさせた。
そんな宇宙を十分に気に入った亨は、一度遼一の口中で放ったが、まだ足りないとばかりに勃起している自身を見せびらかすように腰を落とす。
そして床で両脚を広げて待っている宇宙の股間の前で両膝をついた。
「バイブを抜きます。そのまま挿入してこいつの味を堪能してください。蝋燭とバイブでこれだけ感じる男です。きっとご満足いただけると思います」
「・・・よし」
ニヤけた顔の亨は、宇宙の目いっぱい開いている蕾から太いバイブが引き抜かれるのを見ながらそう言った。
その光景を見ていた遼一が「やめろぉぉ・・・」と大声を上げる。
その言葉と亨の飢えた様子と、そして恭也がわざと見せつけるようにしながらバイブを引き抜くさまに、遼一は身体の内側からメラメラと燃え上がる何かを感じ取っていた。
「私の宇宙に手を出すなっ、宇宙に触れるなっ」
「あっ・・・遼ちゃん・・・助けて・・・」
宇宙が、泣きながら遼一に助けを求める。
亨が宇宙の身体に手を触れた。
遼一は怒りと嫉妬で身体が燃えるように熱くなるのを感じていた。
「私の宇宙に触れるなーーーーーっ!」
遼一は大声で叫んだ。
だが、亨も恭也もそんな遼一には目もくれなかった。
足枷を嵌められ、自由を奪われている遼一には何もできないと高を括っていたのだ。
「・・・女よりもずっとやわらかいな」
挿入前にその味を確かめようとでもいうのだろうか。亨は両目を薄く瞑り、勝ち誇った表情で宇宙の蕾に指を突き立てた。
グチャグチャッと、先ほどよりももっと淫らな音が病室に響く。
宇宙の蕾は、蝋とバイブの責めによって自分から潤うようになっていった。
「いやっ・・・いやぁぁ・・・・・・・っ」
宇宙はどうしても感じてしまう身体とは裏腹に、悲鳴を上げながら必死に首を振って抵抗する。
だがそんな健気な宇宙の姿は、亨の欲望をもっと高めるだけだった。
「もっと感度をよくしてあげましょうか?」
そんな宇宙に対して恭也が手に乳首クリップを持って言う。
「ああ、そうしてくれ」
亨は呻くようにそう言って、指の動きを緩めた。
恭也は、ゴム製の乳首クリップで蝋で固まっている乳首を挟む。
「あぁぁぁーーーーーーーっ!」
左右の乳首を挟まれた宇宙は、その痛さに思わず顔を歪め、思いきり床の上でのけ反った。
「おうっ、これはすごい・・・。すごい締まり具合だ」
亨はそう言いながら、指を引き抜いた。
そして、とうとう宇宙の下半身に自身をあてがうと、一気に貫こうとする。
「遼ちゃーんーーーーーーーっ」
宇宙は泣きながら遼一の名を呼んだ。