東京スペシャルナイト 下 17

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ヌプッと音がして、三つ目のパールが挿入されていく。

 

「あうっ・・・あぁぁ・・・だめぇ・・・・・」

 

呻くように言った宇宙の眉間に皺が寄る。

 

蕾の入り口は蝋の熱によって十分に解れて柔らかくなっていたが、内部はまだ解れていなかった。

 

時間的に余裕がなかったため、最初から媚薬を使うつもりだったのだが、遼一が瓶を割り、媚薬をダメにしてしまった。

 

媚薬を塗り込めていればパールのバイブを挿入されるたびに、おかしくなるくらい感じまくって喘ぐはずだ。

 

だが媚薬がないのだから、仕方がない。

 

パールの感触を、まだ未熟な肉壁は快感として受け止められなくてもしょうがなかった。

 

それに、傷ついてかわいそうなどという情は、亨も恭也も持ち合わせていなかった。

 

宇宙が傷つこうが傷つくまいが、そんなことは関係なかった。

 

「あっ・・・もう・・・・・入らないっ」

 

三つ目のパールをのみ込んだ宇宙が、呻くように訴える。

 

だがまだアナル用のパールバイブは、だいぶ残っていた。

 

「三つで降参か?だらしがない、最初の勢いはどこにいったんだ?ここに突っ込まれるのは初めてじゃないんだろう?」

 

恭也はくくっと笑いながら言う。

 

遼一に散々突っ込まれているはずだ・・・とでも言いたげな口調だった。

 

だがそれもたった一度きりで、しかもひんやりとして冷たい玩具を受け入れて感じるほど、慣れてはいなかった。

 

蝋燭の蝋で蕾の入り口は解れていても、中の肉壁までは異物を受け入れるほど十分に柔らかくなってはいなかった。

 

それを承知で、恭也が四つ目のパールを押し込んでいく。

 

「うっ・・・うぁ・・・あぁ・・・・・だめっ」

 

どんどんと迫ってくる圧迫感。

 

身体の中心部分に次々と巨大なパールを挿入される違和感。

 

苦痛は少ししか感じなかったが、腹の中がいっぱいになっていくような不思議な感覚はあった。

 

「四つ目・・・ と・・・」

 

恭也が、嬉しそうにそう言いながら宇宙の蕾に四つ目のパールを押し込んでいく。

 

「あっ・・・だめっ・・・入らないっ・・・」

 

「だめじゃなくて、ちゃんとのみ込め。パールはまだこんなに残ってるんだ・・・」

 

「いやっ・・・あっ・・・入れないでっ」

 

「入れないでと言われると、無理やりにでも入れたくなるんだよ、俺は」

 

そう言った恭也の手に、ググッと力がこもる。

 

バイブは押し込まれ、四つ目のパールが宇宙の蕾の中に消えていった。

 

「あぁぁ・・・・・・・・・・」

 

宇宙は、どうしても拒むことのできないパールの感触に首を振って喘いだ。

 

だが喘げば喘ぐほど、ロープがきつくなっていって、どんどん動けなくなっていく。

 

どんどん両脚が左右に開き、もっと奥へとバイブを導くことになってしまう。

 

一人のヤクザはパールが可愛い蕾にのみ込まれていく様を、アップにして撮り続けた。

 

蝋を取り去ってやったばかりの分身が、ピクピクッと何度も震えている。

 

「あっ・・・あんっ・・・お願い・・・抜いて・・・」

 

宇宙は喘ぎながらも、バイブを抜いてほしいと哀願した。

 

だが恭也の手は、止まらない。

 

椅子に座ってその様子を見ている亨も、さっきから顔が緩みっぱなしだった。

 

下手なまな板ショーよりもずっとそそられ、ゾクゾクした。

 

宇宙の喘ぐ姿やロープに縛られているいやらしい姿が、亨の下半身を硬くさせていた。

 

股間がパンパンに張っているのが分かる。

 

「もう・・・やめてくださいっ」

 

遼一は、涙を流しながら亨に向かって訴えた。

 

すぐそばで愛する宇宙が弄ばれているというのに、助けてあげることも手を差し伸べてやることもできないのだ。

 

己の無力さに絶望を感じながら、遼一は亨の足元に縋った。

 

亨はそんな遼一を見据え、ふふっと笑う。

 

「・・・・・助けてやらないこともない」

 

亨のその言葉は、天の助けのように感じられた。

 

遼一は、必死に亨を見上げる。

 

「ど、どうすればいいんですか?」

 

答えは分かっている。

 

「答えは簡単だ。いつものように俺を楽しませればいい」

 

やはり、亨は遼一の手と口技を望んでいた。

 

宇宙が感じている姿を見ながら自分も感じるつもりなのだ。

 

「どうした?宇宙の気がふれるまで犯されるところを見たいのか?」

 

無情な亨の言葉に、遼一は激しく首を横に振った。

 

机の上には浣腸器やムチ、もっと太いバイブまでさまざまな仕置き道具が揃っているのだ。

 

あんなもので宇宙を責められたら、本当に殺されてしまう。

 

遼一は迷わず、自分のプライドを捨てる決心をした。

 

「言われたとおりにします。だから宇宙は・・・・・」

 

「早くしろっ。俺の気が短いことぐらい知っているだろう?」

 

椅子から立ち上がった亨が、ベッドに腰を下ろして怒鳴るように言う。

 

「・・・はい」

 

遼一は床からベッドにはい上がると、そのまま亨のスラックスのファスナーを下げた。

 

いつもしている行為なのに、とても汚らわしい行為に思えてしょうがなかった。

 

いつもはこんな屈辱など感じないのに。

 

ただ義務的にそれが仕事なのだと思いながらしてきた行為なのに。

 

「どうした?やる気がないのか?それとも、マッサージの仕方を忘れたか?」

 

亨は、勃起した自身を見下ろして言った。

 

両手でそれを握りしめ、遼一がゆっくりとマッサージを始める。

 

何百回となくやってきた行為なのに、こんなにつらいと思ったのは初めてだった。

 

それと同時に、亨の命令を聞かなければならない自分自身が無性に情けないと感じた。

 

「あっ・・・あっ・・・だめっ・・・遼一っ。そんなこと・・・しちゃだめっ・・・」

 

宇宙は、自分のために遼一が亨の言いなりになっていることに気づいた。

 

遼一が背を向けているのでベッドの上での行為は見えなかったが、だいたいの想像はついた。

 

以前遼一にやってもらったことのある、スペシャルマッサージをしているのだ。

 

もう決して亨の言いなりにはならないと決心したのに。

 

遼一が、自分のためにその決心を破ろうとしている。

 

「やめてぇぇーーーーー・・・遼一っ」

 

宇宙はパールのバイブで串刺しにされたまま、遼一に向かって叫んだ。

 

遼一の背中がピクっと震える。

 

だが、遼一は両手を動かすことをやめなかった。

 

「うるせーな。お前は黙ってこれでも銜えてろっ」

 

と、言った恭也は、机の上からボールが付いた口枷を一人のヤクザに取らせた。

 

そして革製の口枷を、宇宙の口に嵌めていく。

 

「あっ・・・やだっ・・・んっ・・・ぐぅう・・・・・・・」

 

ボールを銜えるように口枷を嵌められてしまった宇宙は、首を振ってもがいた。

 

だが、頭の後ろできつく縛られてしまった口枷は、宇宙の力では外すことはできなかった。

 

無理に開かせられた口端から、唾液がツーッと滴り落ちていくのが分かる。

 

「んぐっ・・・んんーーーーーっ」

 

宇宙が何かを訴えようとする。

 

だが口中ボールに阻まれ、言葉にはならなかった。

 

遼一が、そんな宇宙を振り返る。

 

「やめろっ。それ以上ひどいことをするなっ!」

 

と叫んだものの、すぐに亨に前を向くように命令され、遼一は奥歯を噛みしめながら手を動かした。

 

宇宙を救ってやる方法はただ一つ。

 

亨にマッサージをして喜んでもらって、宇宙への怒りをなんとか鎮めてもらうしかない。

 

到底、納得できない答えだったが、今はそれしかなかった。

 

こんなことになるんだったら、宇宙を愛さなければよかった。

 

そんな考えが浮かんだが、それは切り捨てた。

 

宇宙を愛したことは悔やんでいない。

 

宇宙に巡り合えてよかったと思っている。

 

だが、やはり考えが甘かったのだ。

 

愛の力があればなんとかなる。

 

亨を説き伏せることができると、簡単に思い込んでいた自分自身に腹が立った。

 

「そうだ。いいぞ・・・もっと根元までちゃんとやるんだ」

 

亨が、気持よさそうに呻きながら言う。

 

遼一は手にオイルをたっぷり付けると、いつもやっているように上下に揺らして愛撫していった。

 

クチャクチャッと、淫らな音が病室に響く。

 

グチャグチャッと、宇宙の蕾を出入りするパールのバイブの音も交じっていく。

 

「んんっーーーーーーっ」

 

四つまでパールをのみ込んだ宇宙は、五つ目のパールをのみ込まされている最中だった。

 

小指の先ほどもあるパールが、もう四つも蕾の中に入っている。

 

感覚的には、もういっぱいいっぱいだった。

 

だが恭也はもっと入れようとしている。

 

もっと奥のほうまで、パールで犯そうとしていた。

 

「ぐぅ・・・・・んんっ・・・・・」

 

宇宙が苦しそうに、くぐもった声を上げる。

 

その声を聞いた遼一は、両手を巧みに動かしたまま亨に言った。

 

その問いに、気持ちよさそうに両目を閉じていた亨がくくっと笑う。

 

「誰が助けてやると言った?お前が勝手にそう思っているだけだろう?だが、そこにあるすべての道具を使って死ぬほど責めるのはやめてやる。適当に・・・責めてやる。お前の柔順さに免じてな」

 

亨の非情な言葉に、遼一の両手が震えた。

 

「どうした?手が止まってるぞ?」

 

遼一が、憤りから涙で溢れている瞳を向けて、亨を睨みつける。

 

「いいのか、そんな目で睨んで?俺のひと声で宇宙を殺すこともできるんだぞ?」

 

遼一のオイルで濡れている手が、怒りで震えてしまう。

 

どうしようもない怒りと憎悪が、遼一の中で暴れていた。