東京ハードナイト 【最終回】

だが、初めてのセックスで快感を楽しむ余裕などまったくない由一は、すぐにイッてしまいそうになった。

 

「あっ・・・あっ・・・イッちゃう!」

 

由一が蕾で絶頂感を極めるのは、簡単だった。

 

分身を手で愛撫したまま、腰を上下させるだけでいいのだ。

 

「だめぇぇ・・・だめぇぇーーーーーっ」

 

と、必死にイッてしまう感覚に抵抗した由一だったが、身体は敏感だった。

 

堂本の手の中に、ピュッと白い飛沫を放ってしまう。

 

同時に、堂本の分身を痛いほど締め付けて、イッてしまったことを知らせている。

 

「あぁぁぁ・・・・・・・」

 

由一の内部は、締め付けたままピクピクと痙攣していて、まるで磯巾着のようだと堂本は思った。

 

「・・・・・もう限界か?」

 

意地の悪い口調で堂本が、由一の耳元で聞く。

 

由一は、まだ身体中を支配している快感の中でもがきながら、堂本の言葉を聞いていた。

 

「俺は・・・まだだぞ。いいのかそんなことで?ヤクザの情夫は、身体で精いっぱいご奉仕するのが仕事だ。勝手にイッて勝手に終わってちゃ、役立たずもいいとこだな」

 

堂本の冷たい言葉に、由一の目に涙が溢れてしまう。

 

そんなこといったって、身体が勝手に反応しちゃって、イッちゃうんだからっ。

 

そもそも、一晩でこんなに感じてしまう身体に変えたのは、堂本さんでしょう?

 

変な媚薬入りのボディソープなんか使われて、乳首も分身も、後ろの方だって、自分でも信じられないくらい感じちゃって、どうしていいのか分からないのに。

 

由一は、涙を零しながら心の中で叫んでいた。

 

だが口に出しては言えない。

 

情夫なのに、そんなこと絶対に言えない。

 

「悪いと思ったら、俺を満足させろ、騎乗位になって、腰を振って、俺を満足させるんだ」

 

堂本はそう言うが早いか、身体を反転させて入れ替えた。

 

蛇は由一の蕾に挿入されたままだったので、由一は思いきり喘いでしまった。

 

その声を聞いて、堂本がまた怒ったような顔をする。

 

「今度勝手にイッたら、お前のことを縄で縛ってやる」

 

と、堂本が由一の分身をギュッと握る。

 

由一は声を上げそうになったが、寸前のところで我慢した。

 

「・・・はい」

 

由一はそう答え、堂本の腹の上に手を置き、なんとか腰を上下に揺らそうとする。

 

AVビデオや藤堂と真琴のセックスを何度か見たことがあったので、騎乗位というものがどういうものなのか。どういう動きをするものなのか、一応は知っていた。

 

男の上で激しく腰を上下に揺らし、相手に快感を与えていくもの。

 

頭では分かっているのだが、初めての由一にはやはり難しかった。

 

スムーズに、腰が沈まないのだ。

 

引き上げるのは何とかできる。

 

だがそのまま腰を沈めて、蕾の中の奥深くまで蛇をのみ込んでいくことは想像以上に難しかった。何よりも、堂本が感じる前に、由一が感じてしまうのだ。

 

正常位の時には当たらなかった部分に堂本の蛇の頭が当たってしまい、由一はつい色っぽい喘ぎ声を上げ、感じていた。

 

さっきイッたばかりなのに、またイッちゃいそうなのだ。

 

騎乗位だともっとずっと結合部分が深くなるから、身体の奥まで一気にズンッとくる。

 

その感触が、堪らなかった。

 

もう、蛇に犯されているそこから、身体中が熱いドロドロの液体になって溶けてしまいそうである。

 

それくらい、由一は感じてしまっていた。

 

「あっ・・・んっ・・・・・」

 

「もっと深く、だ。そんな締め方じゃ、だめだ。俺は感じないぞ」

 

「でも・・・ああーん・・・・・・・」

 

「一人で感じてるんじゃない。俺を楽しませることをしろ。こうやって、もっと激しく腰を揺らして・・・・・・・」

 

と、堂本が由一のウエストを左右から押さえ、持ち上げるようにして激しく上下に揺らしていると、突然由一の分身からピュッと、白い飛沫が飛び出した。

 

ついさっき放ったばかりで勢いはなかったものの、その飛沫は堂本の腹の上に飛んだ。

 

それを見て、堂本が冷たく目を細める。

 

そしてそのままの状態で手を伸ばし、サイドテーブルの引き出しの中から輪ゴムを取り出した堂本は、有無を言わさずその輪ゴムを根元に嵌めていく。

 

「あっ・・・堂本さんっ・・・いやっ。こんなの・・・いやっ」

 

と、輪ゴムをきつく嵌められた由一は、とっさに輪ゴムを取ろうとする。

 

だが堂本がそんな由一の手を捕らえて、後ろで一つにしてしまう。

 

騎乗位の格好で、分身には輪ゴムを嵌められ、両手は後ろで一つにされてしまい、由一は腰を上げることもままならなかった。

 

蕾には、深々と堂本の蛇が入り込んでいる。

 

「このまま・・・動け」

 

堂本は、冷たい口調で命令した。

 

由一を愛しいと思えばこその、命令だった。

 

由一は、しゃがんだスタイルのまま、ゆっくりと腰の上げ下げを繰り返していく。

 

だが由一の蕾に蛇が入り込めば込むほど、輪ゴムを嵌められている分身はどんどん膨らんでいく。

 

そしてついには、輪ゴムが食い込んでしまって見えないくらいまで、由一の分身は膨張しパンパンになっていた。

 

「苦しくて・・・もう・・・だめですぅ・・・」

 

ブルブルと足を震わせ、泣きながら由一が呻く。

 

堂本はそんな由一の顔を引き寄せキスをすると、そのまま身体を入れ替えた。

 

今度は、堂本が上になったのだ。

 

だが、由一の分身に食い込んでいる輪ゴムも、後ろで捕らえられている手も、蛇も、そのままである。

 

「セックスっていういうのはな、こうやってするんだ。よく覚えておけ」

 

堂本はのろのろとした由一の動きに焦れてしまったのか、いきなり激しく腰を揺らし、蕾を突き上げる。

 

「ひっ・・・あぁぁぁ・・・・・」

 

獰猛な獣のような動きに耐えられず、由一は悲鳴を上げてのけ反り、なんとか逃れようともがく。

 

だが、堂本の下からは逃げられるはずもなく、由一はズンズンと蕾を蛇で犯されていった。

 

途中、何度か意識を失い、頭の中が真っ白になってしまう。

 

だがそのたび堂本が頬を叩いて起こし、また激しく犯していく。

 

「・・・し・・・・・死んじゃう・・・・・・・」

 

このままでは本当に殺される。

 

由一は、また薄れゆく意識の中で思った。

 

だが、堂本に殺されるなら本望だ、とも思っていた。

 

しかもこんなに感じまくって死ねるなら、これほど幸せなことはない。

 

激しくて濃厚で、意識も理性も嫉妬心も何もかも吹っ飛んでしまう堂本のセックス。

 

由一は、そんな堂本のセックスがとても好きになっていた。

 

ふと、真琴と藤堂のセックスを思い出す。

 

あの二人はきっともっとすごいんだろうな。

 

だって、真琴様の乳首やあそこには、ピアスがついているんだから。

 

あのピアス、綺麗だった。

 

真琴様の白い身体が犯されるたびにゆらゆらと揺れて、真琴様の美しさをなお一層引き立たせているような感じがした。

 

私も堂本さんにピアス、つけてもらいたいな。

 

堂本さんだったら、どこにつけるだろう?

 

やっぱり、乳首とあそこかな?

 

蕾のにもつけちゃったりして・・・。

 

由一は、意識を失う寸前に、そう思っていた。

 

「あ・・・愛して・・・ま・・・す・・・・・・・堂・・・」

 

そこまでで、由一の言葉は途切れてしまった。

 

トクンッと、堂本が由一の中に飛沫を放つ。

 

「・・・くぅ・・・・・」

 

堂本は、意識のない由一の内部に激しく打ちつけながら飛沫を放っていた。

 

「由一?」

 

と、すべてを放出し終わった堂本が、少し息を切らせて由一を呼んでみる。

 

だが由一はとっくに意識をなくしていて、ぐったりとしていた。

 

だが、表情はなんだか微笑んでいるように見える。

 

「・・・何を考えていたのやら・・・」

 

堂本は、火照った身体をクールダウンさせるようにベッドに横になり、由一の身体を抱き締めた。

 

「・・・・・・・うふふ・・・・・」

 

失神しているはずの由一が、嬉しそうに笑う。

 

堂本はその笑みを見て、少し口元を歪めながら唇にキスをした。

 

堂本にとってそのキスは、誓いのキスだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

東京ハードナイト 30

「若い者に命じて、白樺の店主に賭けマージャンを持ちかけさせたのは、この俺だ。そしていかさまでわざと借金をつくらせ、由一を借金の形として差し出すように言い含めた。そうでもしなければ、お前は決して手に入らないからな」

 

堂本が、そう言って由一の足を左右に割る。

 

由一はこの時初めて真実を知ったのだが、まったく驚かなかった。

 

今となっては、怖いものなんて何もなかった。

 

たった数ヶ月の間に、由一は計り知れない経験をしているのだ。

 

普通の人生を送っていたら、きっと体験できない想像を絶するようなことだった。

 

無理やりヤクザの情夫にされ、監禁され、ホストになって見ず知らずのヤクザに攫われ、殺されそうになったのだ。

 

その後は、中国製の媚薬まで試され、快楽がどういうものであるかをたっぷりと教えられたのだ。怒涛のような数ヶ月だった。

 

もう何も怖いものなんて、ない。

 

「怒らないのか?」

 

と、堂本がキスをしながら聞く。

 

由一はキスを受けるために唇を開きながら『いいえ』と答えた。

 

「・・・今さら・・・何を聞かされても驚きませんし、怒ったりしません。それに私は、堂本さんに見初められたこと、今ではとても幸せだと思っています」

 

と、堂本の首に腕を回して目を閉じた由一が言う。

 

堂本は、そんな可愛いことを言う唇を激しいキスで塞いでしまうと、そのまま両足を胸につくほど深く折り曲げた。

 

そしてすでに張り詰めている由一自身を堂本の腹で擦るように、身体を密着させた。

 

「あん・・・・・」

 

すぐに由一の唇からは甘い吐息が漏れる。

 

媚薬入りのボディソープはすっかり洗い流されていたが、快楽に対しての敏感さはまだ失われてはいなかった。

 

それに身体がしっかりと覚えていたのだ。、

 

あの時の、失神してしまうほどの快感を。

 

「堂本さんっ。お願い・・・入れてっ・・・」

 

由一は、腹の間に挟まって透明な先走りを滴らせている分身が、あと少しでイッてしまうと思った。

 

だからそうなる前に、本当に堂本さんのものになりたい。

 

堂本さんと一つになって、堂本さんの分身を身体の中で感じたい。

 

そうすることによって、過去の女性を忘れさせることができるなら、由一は多少傷ついたって構わないと思っていた。

 

由一は、堂本の心の一部がまだ過去の女性に残っていると感じていた。

 

だから、すぐに堂本と結ばれたかったのだ。

 

堂本を、自分だけのものにするために。

 

ああっ。

 

身体の繋がりって、セックスって、こんなにも大切なものだったんだ。

 

好きな相手を自分に振り向かせるための、最終手段なのかもしれない。

 

由一は、心からそう思っていた。

 

「いいのか?つらいぞ?」

 

と、堂本は耳たぶを噛み、引っ張るようにして聞く。

 

「・・・・・はい、いいんですっ。早く・・・堂本さんのものにしてっ。堂本さんに抱かれたい。堂本さんのものになりたいのっ」

 

由一はそう言って、自らの股間を押し付けて腰を振った。

 

すると、分身が擦れてクチャクチャッと淫らな音がしてもっと感じてしまったが、由一は必死だった。

 

堂本が他の人を想っているなんて、絶対に嫌だった。

 

自分だけを見てほしい。

 

自分だけを愛してほしいのだ。

 

「早くっ」

 

由一が叫ぶと、堂本は少し上下に擦り上がり、下半身の位置をずらした。

 

そして、まだ頑なに閉じている蕾に堂本自身を押し当てる。

 

昨日の媚薬の効力がまだ続いているのか、由一の蕾はピクピクッとしていて、閉じたり開いたりを繰り返していた。

 

これなら傷つけることもなく、挿入することができるかもしれない。

 

堂本は心の中でそう思うと、グイッと下半身に力を入れた。

 

ヌプッと、先端が少し蕾の中に入る。

 

「あんっ・・・」

 

由一は少し上ずったような声を上げただけで、苦痛は訴えていなかった。

 

堂本はまだ少し、腰を進めてみる。

 

「ああーんっ」

 

さっきより少しで艶めいた喘ぎ声が上がる。

 

シャワーで流したはずなのだが、中にはまだ媚薬入りのボディソープが残っているのか、由一はまったく苦痛を訴えなかった。

 

堂本もそれを、直に確かめる。

 

中がヌルヌルしていて、まるで女の園のように濡れているのが分かる。

 

媚薬のせいなのか、それとも由一の身体が元々こういう淫らな身体なのか分からなかったが、堂本はこれで遠慮がいらなくなったと、心の中で笑った。

 

「半分ほど・・・入れるぞ」

 

堂本は言葉通りに由一の蕾の中に、グイグイと巨根を押し込んでいく。

 

だが由一の蕾はそんな堂本自身を、どんどんのみ込んでいった。

 

「ああーん・・・入ってくる。大きな蛇が・・・どんどん入ってくるぅぅぅ・・・・・・・」

 

由一は感じるままを口にして、ギュッとシーツを掴んでのけ反った。

 

苦痛は思ったほど感じない。

 

だがものすごい圧迫感が、由一をのけ反らせていた。

 

「まだ・・・入ってくるぅ・・・。蛇が・・・中に・・・ああーん・・・・・」

 

と、堂本の肩に爪を立てて、由一が喘ぐ。

 

爪の先に由一の愛情を感じながら、堂本はもっと深く、根元まで埋まるくらいまで分身を突き刺していく。

 

すると、由一の口からちょっとだけ苦痛を訴える呻き声が上がったが、今にもはちきれそうな分身を弄ってやると、それはすぐに喘ぎ声に変わった。

 

由一の分身はもうヌルヌルしていて、根元まで先走りが滴り、濡れていた。

 

「弄っちゃ・・・だめぇぇ・・・・・」

 

と、由一がきつく瞼を閉じて訴える。

 

だが堂本は、由一自身を巧みに弄りながら腰を揺らしていった。

 

「あん・・・ああーん・・・蛇が動いているぅぅ・・・・・・・」

 

由一の中に、太くて硬い蛇が出入りを繰り返している。

 

由一はその様子を見ることはできなかったが、堂本はじっくりと観察することができた。

 

ヌプヌプと音を立てて、由一の蕾が堂本自身をのみこんでいくさまは、たとえようもないくらい、淫らで美しかった。

 

由一の内部の熱さを感じながら、堂本は何度か腰を動かした。

 

もっともっと、由一のすべてを俺のものにしてしまいたい。