東京スペシャルナイト 上 21
- 2016年01月17日
- 小説, 東京スペシャルナイト
桜井は、手の中で泡立った滑らかな泡をたっぷりと宇宙の裸体に落としていく。
そして宇宙の裸体をまるで生クリームがたっぷり塗られたケーキのようにすると、その泡を塗り込めるようにマッサージしていく。
「あっ・・・んっ・・・」
身体中から余分な力が抜けている宇宙の唇からは、すぐに喘ぎ声が漏れた。
「あっ・・・あっ・・・」
左右の乳首を円を描くようにマッサージされ、指先で乳首を弾かれ、ひときわ大きく喘ぐ。
その感覚は、この前のスペシャルマッサージよりもずっと敏感になっているようだった。
前も感じたけど、でももっと感じちゃってる。
あーん、どうしよう。
乳首をマッサージされてるだけなのに。
宇宙が必死に歯を食いしばっても、どうしても唇が解けて喘ぎ声が漏れてしまうのだ。
しかも身体中の力がすっかり抜けてしまっているせいか、緊張感もない。
身体が、フニャフニャなのだ。
「今日はプールで遊んだせいか、身体から力が抜けててとってもいいですよ。この調子だと、ウルトラスペシャルマッサージができるかもしれませんね」
ウルトラスペシャルマッサージ!?
なんてエッチで破廉恥な想像を巡らせてしまう言葉だろうかっ。
スペシャルマッサージの上をいくマッサージってこと?
でも、あのめちゃくちゃ気持ちいいスペシャルマッサージの上をいくマッサージって、いったいどんなのだろうか?
と、宇宙は一瞬真剣に考えてみたが、想像をはるかに超えていてまったく分からなかった。
「何も心配はいりません。私にすべて任せてください」
はい、お任せしますぅ♡
宇宙は心の中で甘い声で返事をする。
するとその言葉が伝わったのか、乳首を愛撫していた桜井の手の動きが急に忙しくなった。
ウエストから下腹部へ泡を伝って降りてきた両手は、そのまま力が抜けてフニャフニャの膝を左右に割った。
「あっ・・・見えちゃう」
宇宙は思わず、恥ずかしそうに言った。
泡で隠れているとはいえ、こんなふうにして両膝を思いきり左右に割られてしまっては、勃起している分身だけではなく、その奥まで見えてしまうのだ。
まだ誰にも使われていない未通の蕾は、桜井にじっと見つめられ、泡の中でピクピク震えているようだった。
「ウルトラスペシャルマッサージというのは、ここを柔らかくほぐして、そしてここで絶頂感を極めるマッサージのことです。だから・・・私がこれから何をしても驚かないでリラックスしててくださいね」
桜井が、優しい口調で言う。
「あっ・・・」
桜井の数本の指先が、泡をかき分けるようにして蕾を探しているのが分かる。
「あんっ」
そして白い泡の中から可愛い蕾を見つけた桜井は、思わず両目を細めて笑った。
思っていたとおり、プールの中で疲れさせたせいで、蕾からも緊張がほとんど抜けていたのだ。
きつく口を閉じているはずの蕾の襞が、やんわりと緩んでいるのが一目瞭然だった。
桜井は、迷わず蕾の入り口を中指で突っついた。
「あぁぁ・・・ん・・・」
とたんに、今まで聞いたこともないような甘く滴るような喘ぎ声が宇宙の口から上がる。
桜井はその声を聞いただけで、ウルトラスペシャルマッサージを宇宙が受け入れる準備ができていることを知った。
「いい子にしててくださいね。動くと・・・傷ついてしまう場合がありますから・・・」
注意深くそう言って、桜井が中指をゆっくりと蕾の内部へと挿入していく。
「さ、桜井さん・・・」
宇宙の内部は、桜井の想像以上に柔らかくほぐれていて、異物である指を優しく包み込んでいった。
クチャクチャ、ヌルヌルとしているこの感触。
欲望を漲らせるどの感触に、桜井は小さな声で呻いていた。
男性経験は豊富な桜井だったが、こんな魅力的な蕾は初めてだった。
宇宙の内部は、まるでイソギンチャクのような感触だった。
こういうものを、世に言う『名器』というのだろう。
桜井は、すぐにでもこのまま自身を挿入させてしまいたい欲望と衝動を抑えながら、もっと深く指を挿入させた。
「あぁぁ・・・んっ・・・・・」
初めてであるにもかかわらず、宇宙の蕾はまるでスッポンのように指をのみ込んでいく。
生まれ持った素質なのか、それとも男を狂わせる身体を持っているせいなのか、宇宙は最初から感じていた。
勢いでヌルンッと、中指が根元まで入ってしまう。
「あぁぁぁ・・・・・・」
色っぽい声を上げながら、宇宙はマットの上で腰を揺らした。
泡だらけの白い裸体は、マットの上で滑っている。
桜井は淫らにくねっている腰を片手で押さえながら、根元まで挿入した指先で、柔らかな内部を探っていた。
宇宙の蕾の内部は、思っていた以上に深かった。
指先が最奥の部分に届いていない。
それに、入り口は痛いほどきつかったが、内部はとろとろに蕩けてしまっているせいか、少し余裕があるように思えた。
指をもう一本増やしてみよう。
桜井はそう思い、ゆっくりと中指を引き抜いた。
「あんっ・・・だめぇぇ・・・・・」
指を挿入されていたことがよほど気持ちよかったのか、引き抜かれたとたん、いじけるような声を上げた宇宙は、恨めしそうに桜井を見上げた。
そんな宇宙を見て、桜井が心底可愛いと思ってしまう。
こんな感情は決して一般人に抱いてはいけないのに、宇宙だけは特別だった。
宇宙と初めて出会ったときから、桜井は運命の出会いだと直感していたのだ。
桜井は、自分の立場を十分にわきまえている。
このスペシャルマッサージを覚えさせられたのも、ある人物を喜ばせるための手段だった。
その人物に気に入られ、一般人が知らない裏の社会では桜井を知らない者はいなかった。
だからさっきのチンピラたちも、桜井の顔を見ただけで震え上がり、宇宙という最高のご馳走を目の前にしても血相を変えて逃げていったのだ。
だが今は、そんなことを宇宙に告げる気にはならなかった。
一人の男として、宇宙を愛していた。
自分から望んで、ウルトラスペシャルマッサージをしてあげたいと思ったのは、宇宙が初めてだった。
宇宙の喘ぐ姿だったら、何時間でも見ていたい。
宇宙が喜ぶことだったら、どんなことでもしてあげたい。
宇宙に愛されるためだったら、掟を破ってしまってもいい。
そのために、たとえ自分の身に危険がせまっても悔いはないと思った。
「力を抜いて・・・。今度は二本に増やしますよ」
桜井はそう言って、宇宙の唇にキスをした。
キスをされた宇宙は、潤んだ瞳で桜井を見つめて頷いた。
「あっ・・・あっ・・・あぁぁ・・・・・・」
二本に増やされた指が、入り口をこじ開けてイソギンチャクのような蕾へと入っていく。
宇宙は生まれて初めて味わう、蕾が蕩けてなくなってしまうような感覚に、思わず首を振っていた。
乳首への愛撫や分身への愛撫とは、まるで違う。
もっと濃厚で濃密で、奥深い快感が蕾から全身を駆け巡っている。
特に蕾は、二本の指を初めて受け入れているにもかかわらず、苦痛などいっさい感じなかった。
感じているのは、快感だけ。
自分が自分でなくなってしまうような、思わず身震いするような快感だけが、宇宙の全身を支配していた。